ホントウノキモチ
彼と付き合いはじめて、3年が経過したころから、ホントウノキモチには気付いてたんだ。
私、意地になってる。
もう、彼が好きで好きで仕方ない、というような気持ちは薄れていた。
当たり前といえば当たり前なんだけど。。
それでも、しばらくは、彼は私にとって必要だと思っていた。いろんな意味で。。
決して、嫌いになった、ってことはなかったし、彼と私の間には、決まった時間の過ごし方が流れるようになっていた。
でも、さらに時が進む中で、この決まった時間の過ごし方すら、窮屈になっていった。
また、この週末がくる。今週はそういう気分じゃないなー、と思うことが増えていった。
彼だってバカじゃないから、気付いてたと思う。良くも悪くも私のことを知り尽くしてたわけだから。
知り尽くす。
本当に知り尽くされてたかは分からないけど、私からすると知り尽くされた気がしていた。
知り尽くされた私は、別に、縛られてるわけじゃないのに、身動きが取れなくなっていった。勝手に自分で縛ってただけなんだけど。
それに、彼を通して広がった世界以外にも、今の会社に入って、これまで知らなかった働き方、頭の使い方を知った。
だから、いつの頃からか、彼と私の会話は私の仕事の話のみになっていった。
私が喋らなかったら、何も会話がないし、新しいことも何もない。
あれ、なんでこうなったんだろう。
あ、私、彼に魅力を感じなくなってる。
そして、彼にとって、私は必要な存在、ってことではなかったんだな、とも思う。
私という人間に付き合ってくれてありがとう。
完。